要点まとめ
- 札幌市水道局は、外気温が-4℃以下になるとき、寝る前や旅行などで長い時間水道を使わないとき、真冬日が続いたときに、水抜きをするよう案内しています。凍結事故が多いのは12月から2月です。
- 水抜き栓を「止」にするだけでは水は抜けません。蛇口を開けて、水が出なくなるまで抜ききるのが水抜きです。
- 凍ったときは、管や蛇口にタオルを巻いて、上からお湯をゆっくりかけます。熱湯を直接かける・直火を当てるのは、破裂や火災の危険があります。
- それでも水が出ないとき、管が破裂したときは、市の指定給水装置工事事業者に頼みます。水道局は凍結の修理をしておらず、費用は自己負担です。
札幌で水抜きが必要なとき:-4℃が目安
札幌市水道局は「水道の凍結防止には『水抜き栓』による水道管の水抜きが効果的」として、次のときに特に注意するよう呼びかけています。
- 外気温がマイナス4℃以下になるとき
- 寝る前や、旅行などで家を留守にするなど、長い時間水道を使わないとき
- 「真冬日」(1日中、外気温が氷点下の日)が続いたとき
札幌の冬の気温で見ると(気象庁の平年値・1991〜2020年)
- 日最低気温の平年値は、12月が-4.0℃、1月が-6.4℃、2月が-6.2℃です。
- 1日中氷点下の真冬日は、平年で年に43.6日あります(1月だけで16.7日)。
12月から2月は、平年並みの冬でも夜に-4℃前後まで下がります。冬のあいだは、寝る前と出かける前の水抜きを習慣にしておくと安心です。
札幌市水道局のチラシ(2024年1月作成)は「昨冬の札幌市内の水道凍結による修繕件数は年間約8千件」とし、 冬のくらしガイドでも「初めて寒冷地で冬を迎えるご家庭での凍結事故が多数確認されております」と注意しています。 また、部屋の中がどれだけ暖かくても、車庫など外気温と変わらない場所に水抜き栓や水道管がある場合は、凍結の対策が必要です。
水抜きのやり方:水抜き栓(ハンドル・レバー)
北海道の住宅には、家の中の水道管の水を抜くための「水抜き栓」が付いています(「元栓」と呼ぶ人もいます)。 ハンドルを回す形とレバーで操作する形、ボタンで操作する電動式があり、付いている場所は家によって違います。 札幌市水道局が案内している手順は次のとおりです(空気入れ蛇口・水抜き用蛇口は、付いていない家もあります)。
水を抜くとき
- 家の中の蛇口を閉める。
- 水抜き栓のハンドルを右に止まるまで回す(レバーの場合は「止」の方向に操作する)。
- 蛇口をいっぱいに開ける。
- 空気入れ蛇口がある場合は、いっぱいに開ける。
- 水抜き用蛇口がある場合は、いっぱいに開ける。
- 蛇口と水抜き用蛇口から水が完全に出なくなったのを確かめてから、蛇口・空気入れ蛇口・水抜き用蛇口を閉める。
水を出すとき
- 蛇口・空気入れ蛇口・水抜き用蛇口が閉まっていることを確かめる。
- 水抜き栓のハンドルを左に止まるまで回す(レバーの場合は「出」の方向に操作する)。
- 蛇口をゆっくり開ける。
※ 空気入れ蛇口がある場合は、この開け閉めを必ず行ってください(水道局)。
よくある間違い
- 水抜き栓を回しただけで終わる:蛇口を開けないと、管の中に水が残って凍ります。水が出なくなるまで待ってから蛇口を閉めます。
- ハンドルを最後まで回していない:開け閉めが不完全だと水が完全に抜けず、凍結や破裂の原因になります。
- 抜いたあと蛇口を閉め忘れる:次に水抜き栓を開けたときに、水が出っぱなしになります。
電動式の水抜き栓
壁などに付いた操作ボタンで水抜きをします。ボタンを押したあとも、蛇口の開け閉めが必要です。 停電のときは、取扱説明書などで元に戻す操作をします。
マンション・アパート
建物によって水抜き栓の場所や方式が違います。札幌市水道局は、戸建て・マンション・アパートそれぞれの水抜きの方法を動画で公開しています(水道の凍結について)。分からないときは管理会社に確かめてください。下の階が空き部屋だと、その部屋を通る水道管が凍ることもあります。
トイレの水抜き
水洗トイレは、家の水抜きとは別に、タンクの水も抜きます(札幌市水道局の手順)。
- 水抜き栓のレバーを「止」の方向へ操作する(ハンドルの場合は、右に止まるまで回す)。
- タンクにある排水ハンドルを「大」の方向へ回し、タンクの中を空にする。
便器の中にたまっている水が凍ることもあります。水道局は、水をくみ出す、不凍液を入れるなどの対策をするよう案内しています。 温水洗浄便座の水抜きは製品ごとに違うので、取扱説明書で確かめます。寒冷地向けの便器など、トイレの交換についてはトイレリフォームの費用相場の記事にまとめています。
給湯器の水抜きと凍結予防
札幌市水道局は「給湯器などは、取扱説明書に基づき、水を抜いてください」としています。給湯器は機種によって水抜き栓の数や順番が違うため、 家の水抜きと同じ手順では抜けません。ガス・石油(灯油)の給湯器のメーカーは、次のように案内しています。
電源プラグは抜かない
多くの給湯器には、気温が下がると機器の中を温める凍結予防の装置が付いています(リンナイの例では、機器のまわりが約3℃以下になると自動で働く)。 電源プラグが抜けていると、この装置は働きません。停電のときも働きません。
機器は守れても、配管は凍る
ノーリツは、給湯器の凍結予防の装置では「接続されている配管までは凍結を防止できません」とし、配管の保温材が傷んでいれば交換をすすめています。 また「保温材を巻いていても、外気温が-4℃以下になると凍結する可能性が非常に高まります」としています。
長く使わないとき・極端に寒い日は水抜き
リンナイは、外気温が-15℃以下になる日や、長い期間使わないときは、機器の水抜きをするよう案内しています。 どちらのメーカーも、凍結で壊れた場合の修理は保証期間内でも有料としています。取扱説明書はメーカーのサイトでも公開されているので、型番で探して冬の前に手順を確かめておきます。
水道管が凍ったときの対処
軽い凍結は、タオルとお湯でゆっくり溶かす
外に出ている管(保温筒は取り外す)や蛇口にタオルを巻きつけ、上からお湯をゆっくりかけると、水が出るようになります(札幌市水道局)。 給湯器の給水元栓を温めるときは、人肌程度(30〜40℃)のぬるま湯をタオルの上からゆっくりかけるよう、ノーリツが案内しています。
解氷パイプが付いているとき
キャップを上に持ち上げて取り外し、立ち上がり管につたわるように、お湯をゆっくり注ぎます。床下にある管の氷を溶かすための仕組みです。
やってはいけないこと
蛇口や管に熱湯を直接かける、直火を当てる——札幌市水道局は、破裂や火災の危険があるとしています。給湯器のメーカーも、熱湯をかけないよう注意しています。
それでも水が出ないとき
札幌市の指定給水装置工事事業者のうち、名簿で「凍結修繕」に○が付いている業者に頼みます。水道局は凍結の修理をしておらず、修理の契約はお客様と業者の間で結ぶもので、費用は自己負担です。 水道局は、できるだけ複数の業者から見積もりを取り、内容と金額に納得してから頼むよう、また見積もりや出張費が有料のこともあるので先に確かめるよう案内しています。
名簿は区ごとに分かれていて、毎月更新されています(修繕工事・凍結修理を行う指定給水装置工事事業者)。
凍結の修理(解氷)の費用の目安
| 内容 | 単位 | 費用目安 | 補足 |
|---|---|---|---|
| お湯や熱で溶かす(解氷の機械を使わない軽い凍結) | 1回 | 約6,600〜14,300円 | 4社。15分以内〜1時間以上など、かかった時間で変わる |
| 電気解氷機で溶かす(金属の給水管) | 1回 | 約8,000〜26,400円〜 | 5社。凍った長さと時間で変わる |
| 蒸気(スチーム)で溶かす(ポリ管など樹脂の給水管) | 1回 | 約16,000〜50,000円 | 4社。電気を通せない管に使う |
破裂した管の修理は、管の場所(床下・壁の中など)と材質で大きく変わり、料金を公開している会社が確かめた範囲で2社だけだったので、ここでは金額を載せていません。 凍らせない水抜きのほうが、ずっと安く済みます。
水道管が破裂して水が吹き出したら
家の中の水道管から水が吹き出している
すぐに水抜き栓または中間バルブを閉めて水を止め、指定給水装置工事事業者に修理を申し込みます(札幌市水道局)。 マンション・アパートでは、下の階へ水が漏れていないかも確かめ、管理会社に連絡します。
家のまわりの地面が濡れている・水が噴き出している
すぐに、お住まいの区を担当する配水管理課に連絡します。
| お住まいの区 | 担当 | 電話 |
|---|---|---|
| 中央区・南区 | 中部配水管理課 | 011-572-7300 |
| 北区・東区 | 北部配水管理課 | 011-762-7300 |
| 豊平区・清田区 | 南部配水管理課 | 011-812-7300 |
| 白石区・厚別区 | 南部配水管理課 | 011-876-9870 |
| 西区・手稲区 | 西部配水管理課 | 011-618-7300 |
業者とのトラブルに気をつける
札幌市水道局には、凍結や漏水の修理で「料金が高い」「内容がわかりづらい」「不安をあおるようなことを言われた」といった苦情が寄せられています。 水道局は、修理や検査をしてお金を受け取ることはしていません。水道局を名乗る人から修理代を求められたら、区の配水管理課に確かめてください。 契約のトラブルは、札幌市消費者センターなどで相談を受けています。
冬の前に確かめておくこと
チェックリスト
- 水抜き栓の場所と形(ハンドル・レバー・電動)を、家族みんなが知っている
- 水抜き栓のハンドルやレバーが動く(動かないときは、指定給水装置工事事業者に修理を頼む)
- 水を使っていないのに「シューシュー」と音がしない(水抜き栓のパッキンが切れているなど、水漏れの可能性があります)
- 空気入れ蛇口・水抜き用蛇口の場所が分かっている
- 給湯器の電源プラグが差さっている。外に出ている配管の保温材が傷んでいない
- 車庫など外と同じ寒さの場所に水道管がある家は、シャッターの閉め忘れに気をつける
- 年末年始の帰省や旅行の前に、水抜きと給湯器の水抜きの手順を確かめておく
札幌市水道局は「水抜き栓は冬になる前に点検しましょう」としています。 冬のあいだに浴室の工事を考えている方は、工事中の凍結の注意をお風呂リフォームの費用と期間の記事に、寒い部屋そのものの対策は北海道の断熱リフォームの記事にまとめています。
よくある質問
Q. 毎晩、水抜きをしないといけませんか?
札幌市水道局は、外気温が-4℃以下になるとき、寝る前など長い時間水道を使わないとき、真冬日が続いたときに水抜きをするよう案内しています。 札幌の12月〜2月は日最低気温の平年値が-4.0〜-6.4℃なので、冬のあいだは寝る前の水抜きを習慣にしておくと安心です。
Q. 水抜き栓のハンドルが固くて回りません。
無理に回すと壊れることがあります。札幌市水道局は、ハンドルやレバーが動かないときは、指定給水装置工事事業者に修理を申し込むよう案内しています。 冬になってから困らないよう、秋のうちに一度動かしておきます。
Q. 給湯器の電源は、冬のあいだ切っておいたほうがいいですか?
メーカーは、電源プラグを抜かないよう案内しています。抜くと、機器の中を温める凍結予防の装置が働かなくなるためです。 長く家を空けるときは、取扱説明書の手順で給湯器の水抜きをします。
Q. 凍結の修理代は、賃貸でも自分で払うのですか?
札幌市水道局は、凍結の修理の費用は利用者の自己負担で、水道局は関わらないとしています。賃貸住宅で誰が負担するかは契約によるので、 まず管理会社か大家さんに連絡してから、修理を頼む業者を決めてください。
Q. 水道局に電話すれば、凍った水道を直しに来てくれますか?
水道局は凍結の修理をしていません。家の中の凍結は、市の指定給水装置工事事業者(名簿で「凍結修繕」に○のある業者)に頼みます。 道路から水が漏れているときや、家のまわりの地面から水が噴き出しているときは、配水管理課か水道局電話受付センターに連絡します。
水道・気象・メーカーの出典(2026年10月28日に確認)

