要点まとめ
- 寒冷地では「水に強く耐久性が高いタイル」を選ぶのが重要。
- タイルは高温で焼き固めた素材で、傷や変色に強く耐久性が高い。
- 耐用年数は素材・施工方法によるが、20年または30年以上が目安。
- 10年に一度は専門業者による点検・メンテナンスがおすすめ。
- 大掛かりなメンテは少なく、ランニングコストを抑えたい人にも向く。
寒冷地におすすめな外壁タイルは?(概要)
外壁材にはさまざまな種類がありますが、高級感のある見た目で人気なのが「タイル」による外壁リフォーム。
しかし、タイルには特徴や耐久性が異なる多彩なタイプがあります。寒冷地にお住まいの場合は、 水に強く耐久性の高い素材のタイルを選ぶことが大切です。
そこで今回は、寒冷地におすすめな外壁タイルについて。外壁タイルの種類や耐用年数、 メンテナンスなどもあわせてご紹介します。
外壁タイルの耐用年数を知ろう
タイルにはさまざまな種類がありますが、どのタイルも高温で焼き固めた素材のため非常に固く、 傷や変色に強い素材です。
ほかの外壁材にくらべても耐久性が高い素材であるタイルは、素材や施工方法によっても異なりますが、 耐用年数は20年もしくは30年以上となります。
丈夫で長持ちする外壁タイルですが、工法によっては目地の劣化や外壁の汚れが発生することもありますので、 10年に一度は専門業者によるメンテナンスを行うのがおすすめです。
ただし、耐久性のある外壁タイルは大きなダメージを受けることはほぼないので、 メンテナンス時のコスト(補修、張り替え、塗装など)は、ほかの外壁材に比べてかからないでしょう。
金属サイディングなど、ほかの外壁材の耐用年数の考え方は金属サイディングの耐用年数の記事で解説しています。
寒冷地で長持ちするタイルの条件:水の吸いにくさと張り方
寒冷地でタイルが傷む一番の原因は凍害です。タイルや目地が吸い込んだ水が凍って膨らみ、 融けてまた凍る——これを繰り返すうちに、表面が欠けたり、はがれたりします。 そのため、寒冷地の外壁では「どれだけ水を吸いにくいか」がタイル選びの基準になります。
磁器質タイル
高い温度で焼き締めた、ほとんど水を吸わないタイルです。硬く、凍害に最も強いため、寒冷地の外壁に向いています。
せっ器質タイル
磁器質に次いで水を吸いにくいタイルです。風合いがあり、外壁や床にも使われます。
陶器質タイル
色や柄が豊かな一方で、水を吸いやすいタイルです。主に室内で使われ、寒冷地の外壁には一般的に向きません。
タイル自体が強くても、目地や、タイルを張り付けているモルタル側が水を吸って傷むことがあります。 タイルの種類とあわせて、目地の状態も点検の対象にしておきましょう。
もうひとつ、傷み方を大きく左右するのが張り方です。
湿式(モルタルなどで壁に張り付ける)
マンションやビルで多い張り方です。年数がたつと、下地との間にすき間ができる「浮き」が起きることがあり、 放っておくとタイルがはがれて落ちる危険があります。定期的な打診(叩いて音で調べる検査)が欠かせません。
乾式(下地の板に引っ掛けて留める)
専用の下地にタイルを引っ掛け、接着剤を併用して留める張り方で、戸建て住宅でよく使われます。 湿式に比べて浮きやはがれは起きにくいとされますが、下地の板の継ぎ目や窓まわりのシーリングは傷むため、点検は必要です。
外壁診断の「10年」とは?札幌市の定期報告と打診調査
「外壁診断は10年」と聞くことがありますが、これは主にマンションや店舗・事務所などの建物に関わる話です。
定期報告制度と、外壁の全面調査
多くの人が利用する一定の用途・規模の建物は、建築基準法の定期報告制度により、専門の資格者による定期的な調査と、 行政への報告が求められています。どの建物が対象になるかは、札幌市が定めています。
このうち、湿式で張ったタイルやモルタルの外壁は、落ちたときに人に当たるおそれのある部分について、 完成や外壁の改修から10年を超えると、手の届く範囲だけでなく外壁全体を調べる「全面打診等」の調査が必要とされています。

調べ方と、費用の決まり方
打診調査は、足場・ゴンドラ・ロープなどで外壁に近づき、打診棒で叩いて音の違いから浮きを見つける方法です。 赤外線カメラで外壁の表面温度の差を撮影し、浮きを探す方法も認められています。
費用は、外壁の面積と高さ、どの方法で外壁に近づくか、道路の使用手続きの要否、報告書の作成、 浮きが見つかった場合の補修の範囲で大きく変わります。見積もりを比べるときは、調査方法と「どこまでが調査費に含まれるか」をそろえて比較してください。
戸建て住宅の場合
一般的な戸建て住宅は、この定期報告の対象ではありません。 ただし、湿式で張ったタイルの浮きは戸建てでも起きます。10年をひとつの区切りとして点検しておくと安心です。
対象の建物や報告の時期、調査の方法は見直されることがあります。最新の内容は札幌市の公式ページでご確認ください。
タイル外壁の劣化のサインと、主な補修方法
見つけたら相談したいサイン
- 白い汚れが目地から垂れている(白華):内部に入った水が、成分を溶かして表面に出てきたものです。水が入っている合図です。
- タイルのひび割れ・欠け:凍害や、下地の動きで起きます。欠けた部分からさらに水が入ります。
- タイルが膨らんで見える:一定の範囲がまとめて浮いている可能性があります。落下の危険があるため早めに確認します。
- 目地の痩せ・ひび:目地のシーリングが傷むと、そこから水が入ります。
浮いたタイルは、穴をあけて樹脂を注入し、ピンで固定する方法で直せることがあります。 割れや欠けは部分的に張り替えますが、同じタイルが手に入らないこともあるため、新築時や改修時の予備のタイルは保管しておくと役立ちます。 ひび割れ全般の見分け方は外壁のひび割れの原因と補修の記事もご覧ください。
外壁タイルのメンテナンス方法や費用の目安は?
主なメンテナンス内容
- タイルの剥がれや浮きなどの部分補修:タイルの接着が悪くタイルが浮いてしまったり剥がれてしまったりした場合は、タイルの部分補修を行います。
- 目地コーキングの打ち直し:外壁タイルの目地にコーキングを使用している場合は、劣化してしまうため、定期的にコーキングを打ち直す必要があります。
- 外壁タイルの洗浄:タイルに汚れが付着してしまった場合は、タイルの洗浄を行います。
このように、耐久性に優れている外壁タイルは、大掛かりなメンテナンスはほぼ必要ありません。
そのためメンテナンス費用の目安も30〜50万円ほどなので、ランニングコストを抑えたい方にもおすすめです。
費用目安(まとめ)
| 内容 | 単位 | 費用目安 | 補足 |
|---|---|---|---|
| メンテナンス費用(目安) | 一式 | 30〜50万円 | 大掛かりな補修が少ない前提。状態・範囲で変動。 |
寒冷地では雪や寒さに強い外壁タイルを選びましょう!
外壁材にはさまざまな種類がありますが、高級感のある見た目で人気なのが「タイル」による外壁リフォーム。
外壁タイルには寒冷地の使用に適した「磁器質タイル」や「せっ器質タイル」、 変色しにくい「陶器質タイル」など、特徴や耐久性が異なる多彩なタイプがあります。
ほかの外壁材にくらべて耐久性が高い素材であるタイルは、素材や施工方法によっても異なりますが、 耐用年数は20年もしくは30年以上。 大掛かりなメンテナンスは必要ないので、ランニングコストを抑えたい方におすすめの外壁材です。
よくある質問
Q. 戸建ての外壁タイルも、10年ごとに診断が必要ですか?
法律で報告が求められるのは、主にマンションや店舗などの対象建物です。戸建てに義務はありませんが、 湿式で張ったタイルは年数とともに浮きが出ることがあるため、10年前後で一度、専門業者に点検してもらうと安心です。
Q. 外壁タイルは塗装しなくてもいいのですか?
タイル自体は焼き物のため、塗装による塗り替えは基本的に必要ありません。 手入れが必要になるのは、目地やシーリング、浮きや割れの補修、汚れの洗浄です。

