先に結論
- ・補助金は 国の制度 と 札幌市の制度 の2階建てで考えます。
- ・ほとんどの制度が 「工事の前」に申請 が必要です。着工してからでは間に合いません。
- ・国の制度は 登録された事業者からの申請 が条件です。お客様ご自身では申請できません。
- ・予算に上限があり、年度の途中で締め切られる ことがあります。
① 国の制度:住宅省エネ2026キャンペーン
国が用意している省エネリフォームの補助金は、複数の事業がひとまとめに案内されています。 2026年度は、大きく次の柱で構成されています。
窓・玄関ドアの断熱改修
内窓の設置、既存サッシへのカバー工法、サッシごとの交換などが対象です。 4つの柱のなかで、補助の上限がもっとも大きい枠になります。
住宅全体の省エネ改修
壁・天井・床の断熱材、高効率設備、バリアフリー改修などが対象です。 住宅の築年数が古いほど上限額が上がる仕組みになっています。
給湯器の交換
エコキュートなどの高効率給湯器への交換が対象です。台数ごとに補助されます。
これらは条件を満たせば 併用できる ように設計されています。 「窓は窓の枠で、給湯器は給湯器の枠で」と分けて申請する形です。
② 札幌市の制度:寒冷地ならではの断熱改修に手厚い
札幌市にも、住宅の省エネ改修に対する独自の補助制度があります。 国の制度と考え方が違うのは、「その部位を、市が定めた断熱性能まで引き上げる工事」が対象になる点です。部分的に足すだけでは対象にならないことがあります。
申請できるのは札幌市にお住まいの方で、市税を滞納していないことなどが条件になります。 対象となる住宅の種類(戸建てのみ/集合住宅も可)も制度ごとに違います。
国の制度と併用できるかは、毎年変わります
「同じ工事に、国と市の両方から補助を受けられるか」は、年度ごとに扱いが変わります。 重複して受けられない組み合わせもあるため、どちらを使うかを決めてから工事の内容を固めるのが失敗しない進め方です。
申請の順番。ここを間違えると受け取れません
どの制度を使うか決める
工事の内容によって使える制度が変わります。逆に、制度に合わせて工事の範囲を少し広げたほうが得になることもあります。
見積もりを作る(制度の要件に合わせて)
補助の対象になる部材・工法かどうかを、見積もりの段階で確認します。型番まで指定されている制度もあります。
工事の前に申請する
ここが最大の関門です。着工後に「やっぱり補助金を使いたい」と言われても、ほとんどの制度では間に合いません。
工事・完了報告
施工前後の写真が必要になります。撮り直しがきかないので、工事が始まる前に撮影の段取りを決めておきます。
交付・受け取り
制度によって、お客様が受け取る形と、工事代金から差し引く形があります。
よくあるつまずき
「予算が終わっていた」
国の制度は予算に達すると締め切られます。年度の後半になるほど枠が減るため、 使うと決めているなら早めに動くほうが確実です。
「工事を始めてから相談した」
事前申請が原則です。足場を組んだ後では手遅れになる制度がほとんどです。
「施工前の写真が無かった」
完了報告には施工前後の写真が要ります。壁を開けてしまうと、もう撮れません。
「対象外の部材だった」
性能が同じでも、登録されていない製品は対象になりません。見積もりの段階での確認が要ります。
申請の前にそろえておくもの
必要な書類は制度ごとに違いますが、多くの制度で求められるものは共通しています。 工事会社と相談を始める段階で、次のものがすぐ出せるようにしておくと手続きが止まりません。
準備のチェックリスト
- 工事する住宅の所在地と、所有者が分かる書類(制度によって登記の証明書などを求められます)
- 申請する方の本人確認書類
- 建てた年が分かる書類(築年数で補助の上限が変わる制度があるため)
- 製品の型番まで書かれた見積書
- 工事前の写真(撮る場所や撮り方が決められている制度もあります)
- 札幌市の制度を使う場合は、市税を滞納していないことの確認
補助金のほかに使える制度:減税・介護保険・耐震
リフォームの減税
省エネ・バリアフリー・耐震などの改修では、条件を満たすと所得税の控除や固定資産税の減額を受けられる制度があります。 所得税は確定申告、固定資産税は市への申告が必要です。補助金を受けた場合は、控除の計算で補助金の額を差し引くのが基本です。
介護保険の住宅改修
要支援・要介護の認定を受けた方の、手すりの取り付けや段差の解消などが対象です。 支給の上限と手続きの流れは、トイレリフォームの費用の記事で詳しくご説明しています。
耐震診断・耐震改修の支援
1981年(昭和56年)5月以前に着工した、古い耐震基準の木造住宅などを対象に、札幌市にも耐震診断や耐震改修を支援する制度があります。 断熱改修と同時に壁を開ける場合は、耐震補強をあわせて検討する良い機会です。
どの部分の断熱から手をつけると効果が大きいかは、北海道の断熱リフォームの記事で優先順位をまとめています。補助の対象になる工事と、効果の大きい工事が一致しているかを見比べてみてください。
金額は必ず公式でご確認ください
補助の上限額・対象工事・申請期間は、年度ごとに変わります。 この記事では制度の枠組みと進め方だけをご案内しています。 金額の最新情報は、国の各事業の公式サイトと、札幌市の公式ページでご確認ください。
「うちの家だとどれが使えるのか」が分からない、という状態でも構いません。 現状を見せていただければ、使えそうな制度と、そのために必要な工事の範囲をご説明します。
よくある質問
Q. 補助金が入るまで、工事代金は全額立て替えるのですか?
制度によって違います。工事代金から補助金の分を差し引く形もあれば、いったん全額を支払い、後から受け取る形もあります。 支払いの時期と金額が変わるため、契約の前にどちらの形になるかを確認しておきましょう。
Q. 予算が締め切られたら、どうなりますか?
その制度では、その年度の申請はできなくなります。補助金を前提にしている場合は、 締め切られたときに「補助金なしで工事を進めるか」「次の制度を待つか」を契約前に決めておくと慌てずに済みます。

