要点まとめ
- シリコン塗料は「耐用年数と価格のバランス」が良くコスパが高い。
- タイプは主に「1液型」「2液型」。2液は混合が必要で技術が要るが、持ちがよく素材適用も広い。
- メリット:ツヤ/汚れにくい/撥水/耐熱/耐UV。
- デメリット:ひび割れしやすい/アクリル・ウレタンより高い/フッ素より短命/重ね塗り不向き/技術が必要。
- 寒冷地などでは塗装だけが最適でない場合もあり、カバー工法や張り替えも検討。
シリコン塗料のタイプ(1液型・2液型)
すべての素材に対応しているわけではなく、塗装できない素材もあります。
1液型
缶を開けて、必要に応じて薄めればそのまま使えるタイプです。
混ぜる手間がなく、余った塗料も保管しやすいため扱いやすいのが利点です。 一方で、2液型にくらべると塗膜の強さや、塗れる素材の幅では劣ることがあります。
2液型
塗料液(主剤)と硬化剤の2缶で構成。
正確な比率で2缶を混ぜ合わせる必要があるなど、塗装には知識の技術が必要です。 ただし、1液型にくらべて持ちがよく、さまざまな素材に塗装できます。
さまざまなメーカーがシリコン塗料を出していますが、 例えば「水性1液型」「溶液2液型」というようにタイプが表示されています。
水性と溶剤(油性)
水性は水で薄めるタイプで、においが少なく、住みながらの工事でも扱いやすいのが特徴です。 溶剤(油性)はシンナーで薄めるタイプで、においは強くなりますが、密着性や耐久性で有利なことが多く、 金属部分や傷みの進んだ下地に使われることがあります。
外壁塗装のシリコン塗料のメリット・デメリット
メリット
- ツヤ感があり仕上がりがきれい
- 汚れがつきにくい
- 撥水性がある
- 熱に強い
- 紫外線による劣化への抵抗力が高い
デメリット
- ひび割れが起こりやすい
- アクリル塗料とウレタン塗料にくらべて施工費用が高い
- フッ素塗料にくらべて長持ちしない
- 重ね塗りに向かない
- 塗装には知識と技術が必要
外壁塗装のシリコン塗料の費用相場は?
費用相場(塗料別)
| 内容 | 単位 | 費用目安 | 補足 |
|---|---|---|---|
| シリコン塗料(3回塗り:下塗り/中塗り/上塗り) | 1㎡ | 2,200〜3,500円 | 水性/油性で差。油性の方がやや高め。 |
| アクリル塗料 | 1㎡ | 1,000〜1,600円 | 比較的安価 |
| ウレタン塗料 | 1㎡ | 1,700〜2,200円 | 比較的安価 |
| フッ素系塗料 | 1㎡ | 3,500〜4,800円 | シリコンより高め |
| 高性能(セラミックシリコン等) | 1㎡ | 一般的なシリコンの約2倍になることも | 製品グレードによる |
シリコン塗料を用いて外壁塗装を行う場合の費用は、1㎡あたりの単価で見ると 2,200~3,500円/㎡程度(下塗り・中塗り・上塗りの3回塗りの場合)が目安です。 水性・油性で見ると、油性のほうが少し高くなります。
また、高性能なセラミックシリコンなどを使ったグレードの高い塗料であれば、 一般的なシリコン塗料によりも約2倍の価格になることもあります。
シリコン塗料はアクリル塗料やウレタン塗料にくらべて施工価格は高いですが、 耐用年数が長いため、1㎡あたりの施工単価を耐用年数で割るとコストパフォーマンスは高いでしょう。
費用に含まれないことが多い項目
塗料代のほかに足場代・下地処理代・業者諸経費などが別途かかります。
見積もりで確認したいこと(「シリコン」の一言で比べない)
同じ「シリコン塗装」でも、使う製品と工程で仕上がりと持ちが変わります。 見積書では次の点を確かめておくと、金額の差がどこから来ているのかが分かります。
見積書のチェックリスト
- 塗料のメーカー名と製品名が書かれているか(「シリコン塗料」とだけ書かれていないか)
- 下塗り・中塗り・上塗りの回数と、下塗り材の種類(外壁の素材に合っているか)
- 塗る面積(㎡)の出し方と、窓などを除いているか
- 高圧洗浄、サビ落とし(ケレン)、ひび割れ補修が含まれているか
- シーリングは古いものを撤去する「打ち替え」か、上から足す「増し打ち」か
- 雨どい・破風・水切りなど、外壁以外の部分が含まれているか
- 足場と、塗料の飛び散りを防ぐネットの費用
北海道で塗装するなら:時期と下地に注意
塗れる時期が限られる
塗料には、塗ってよい気温や湿度の条件が決められています。寒い日、雨や雪の日、朝露が残る時間は塗れません。 北海道では、雪が降る前までに工事を終える計画が基本で、冬は外壁塗装に向かない季節です。
凍害を受けた外壁は、塗るだけでは直らない
凍害で表面がもろくなった窯業系サイディングは、上から塗っても塗膜ごとはがれてしまいます。 傷みの程度によっては、部分的な張り替えやカバー工法が先になります。ひびの見分け方は外壁のひび割れの原因と補修の記事で解説しています。
金属の外壁は、サビを落としてから
金属サイディングを塗る場合は、サビを落として錆止めの下塗りをしてから仕上げます。 ここを省くと、塗膜の下でサビが進みます。
外壁塗装をする前に:張り替えが最適な場合も
今回ご紹介した通り、シリコン塗料は耐用年数と価格のバランスが良く、 コストパフォーマンスに優れた塗料と言えます。
しかし、外壁塗装を行った家でも結局は塗装だけだと長く持たなかったり、 寒冷地では凍害を完全に防ぐことができなかったりするケースもあります。
そのため、コスト的に抑えられるサイディング重ね張り(カバー工法)や下地からやり直す、 張り替えを行った方がよい場合もあります。
とくに北海道など寒冷地の場合は、金属サイディングはひび割れや凍害の心配がなく断熱性のあるため、 おすすめの外壁材の1つです。
どの外壁材が良いかはお住まいの地域などによっても異なりますので、 まずは業者に相談してみてくださいね。
よくある質問
Q. シリコン塗料は何年くらいもちますか?
同じシリコン塗料でも、製品や下地の状態、日当たりや方角で差が出ます。 比べるときは各メーカーが示している期待耐用年数を見て、実際の塗り替え時期は、色あせやチョーキングなどの劣化のサインで判断します。 劣化のサインは金属サイディングの耐用年数と劣化のサインの記事でも紹介しています。
Q. 「重ね塗りに向かない」とは、どういうことですか?
シリコン塗料の塗膜は、汚れや水をはじく性質があるため、次の塗り替えのときに上から塗る塗料が密着しにくいことがあります。 塗り替えの際は、洗浄と下地調整をしたうえで、今の塗膜に合った下塗り材を選ぶことが大切です。

